映画『28年後…』感想レビュー

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🎬 映画『28年後…』あらすじ(ネタバレなし)

ロンドンでのパンデミック発生から28年。
かつて“感染”によって社会が崩壊したイギリスは、現在も完全に隔離された状態で封鎖されていた。

そんな中、隔離された孤島で育った少年スパイクは、あるきっかけから“本土”へ足を踏み入れることになる。
彼が初めて出会う世界は、感染者と化した人間が彷徨う荒廃した都市と、手つかずの大自然が共存する、美しくも恐ろしい空間だった。


✍️ 観た感想(ネタバレなし)

(正確にはゾンビ映画ではないけれど)期待していた「ゾンビパンデミック」ではなかったが、これはこれで妙にしっくりきた。

スパイクという少年は、パンデミック後の世界で生まれ、ずっと隔離された孤島で育った“世間知らず”。
そんな彼が、本土という未知の世界で経験する出来事――恐怖や出会い、や希望――を通して、少しずつ成長していく姿が丁寧に描かれていた。

とくに印象に残ったのは、人間の手がまったく入っていない大自然と、今も徘徊する感染者たちの“神秘的な対比”。
あの光景は不気味だけど美しくて、「もし28年後にこうなっていたらあり得るかも…」というリアリティも感じた。

また、感染者のタイプが分岐していたのも面白かったポイント。
ただのパニックホラーにとどまらない深みがあった。


✅ 良かった点

🔸「28年後」のリアルな想像力

都市の廃墟、自然の回復、進化した感染者たち。
28年という年月の重みをちゃんと“見せてくれる”描写に納得感がありました。

🔸スパイクの“世間知らずっぷり”がリアルで良い

彼が見るすべてが新鮮で、観ている自分たちにも“初めて本土に触れる”ような感覚を与えてくれます。また12歳という若らからくる視野の狭さもリアルでした。

🔸軍人との出会いで浮き彫りになる「世界との断絶」

国外から来た軍人たちはスマホや最新装備を所持した、完全に「今の世界」の人たち。
一方スパイクたちの暮らしは家電すらない一昔前のような生活。
そのギャップに、「彼らは本当に過去に取り残されていたんだな」と感じました。


⚠ 気になった点

一部でテンポがやや悪く感じるシーンがありました。
また、全体がリアルに描かれているぶん、登場人物の行動に「それはさすがに無防備すぎでは?」と感じてしまう部分も少しありました。
ただ、そうした点も含めて「リアルだからこそ気になってしまった」とも言えるかもしれません。


🧬 『28日後…』『28週後…』も観ておくとさらに楽しめる

『28年後…』は、2002年公開の『28日後…』、2007年公開の『28週後…』に続く、“28シリーズ”の第3作目です。
今回の作品単体でも理解できますが、やはり前2作を観ていた方が、世界観の深みや時間経過の重みをしっかり感じられます。


🎥 『28日後…』(2002年/監督:ダニー・ボイル)

謎のウイルスにより人々が凶暴化し、ロンドンが崩壊していく中、昏睡から目覚めた青年がサバイバルを始める物語。
感染者の“走る恐怖”、無法地帯となった都市、そして人間の狂気が圧倒的な没入感を生む名作です。

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🎥 『28週後…』(2007年)

パンデミック発生から28週後。いったん収束したように見えたロンドンに人々が戻り始めたが、感染はまだ終わっていなかった――。
軍の統治、家族愛、再び広がる混乱と感染。スケール感・スピード感が前作以上のパニックスリラーです。

👉 Amazonでは有料レンタル対象作品(プライム見放題ではなし/HD:399円〜)


👀 今作をより深く味わうなら、シリーズ視聴はおすすめ

『28年後…』では、感染拡大から28年という途方もない年月が経った社会が描かれています。
この**「時間の重み」や「文化的断絶感」**は、やはり前2作の描写を知っているとより強く感じられます。

ストーリー上の直接的な続編ではなくても、“同じ世界の歴史をたどっている”という感覚が加わるだけで、今作の見え方が変わるはずです。

💭 まとめ

『28年後…』は、単なる“感染者が暴れるホラー映画”ではなく、
失われた時間の中で育った少年の目を通して描く、世界の断絶と再接続の物語でした。

「ゾンビじゃないけど、これはこれでいい」
「文明が失われた島と、復興を果たした世界」
そのギャップがリアルで、静かに刺さる一本でした。

パンデミック後の世界に新たな視点を与える一作として、シリーズファンにおすすめです。

ちなみに『28年後…』三部作構成とのこと。つぎは26年1月に公開予定。

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